プリキュアオールスターズ2016春 感想

今春の映画プリキュアオールスターズ~みんなで歌う♪奇跡の魔法!~を観てきました。

 

今作は前作に引き続き「歌」をテーマにしており、前作の出来があまりにもお粗末で、またあのヒドイ出来だったらどうしようという不安半分今年は同じテーマで改善しているだろうという期待半分で観に行きました。

 

結果から言えば「歌」をテーマにしたオールスターズの前作での失敗を見事に乗り越え一つの解答を見出した良作でした!(以降ネタバレを含むので注意!

前作は「歌」をテーマに、各シリーズのプリキュアがライブ・ショー形式で順番に歌っていき(その幕間で各シリーズの代表1,2名が会話する)最後に取ってつけたように敵を共闘して倒して終わり、というような内容でした。ストーリーが有って無いような有り様で観終わった後頭を抱える出来でした。プリキュアが歌を披露することとストーリー性を確保することが両立出来ておらずそこが一番の問題だと思いました。

そして今年、同じく「歌」をテーマにしつつ敵に立ち向かうストーリーを存分に描ききることが果たされていました。つまり、強大な敵に立ち向かうというストーリーをミュージカル仕立ての演出で描くというやり方を取り昨年の問題点を解消したのです。1年越しの見事な問題解決と言えるでしょう。

 

今年で8作目になるオールスターズにはある確立されたストーリー軸があると思います。

・序盤で新米プリキュアが1代前のプリキュアと初対面し他のプリキュアの存在を知っていく

・その後敵と共闘する中で先輩プリキュアに助けられ尊敬の念を抱く

・中盤以降、先輩プリキュア(百戦錬磨のはずのオールスターズ)が(雁首揃えて簡単に)軒並み捉えられピンチに陥り、新米プリキュアが奮起してそれを助けプリキュアとして成長する

 

今作はこの伝統を着実に踏まえて話が展開されていました。シリーズの枠を超えたオールスターズの絡みも去年のような簡素なものではなく、しっかりとメッセージ性の強い会話が成されていました。(勿論人数が多すぎるので全く喋らないキャラや行動描写のほぼ皆無なシリーズも散見されましたがこれはもう恒例なので仕方がない)

 

話の肝となる敵の魔女ソルシエールの葛藤もテーマ的にあまり説教臭くなくまた重すぎず個人的には問題無いように感じました。(これは好き好きですがNewStageのような重いテーマよりは今回のようなちょっと特殊な一キャラクターの問題の解決の方が素直に観ることが出来ていいと思います。)

敵役のゲスト声優も演技ドシロートな芸人や子役でないので気になりませんでした。

ただ欠点を挙げるとすればもう一人(一匹?)の敵トラウーマの性格や目的などの作り込みが浅いし過去の劇場版のラスボスに比べて強大や粘り強さが無いなあと思いました。その点去年のラスボス(というか確か単なる暴れ竜)と大差ないですね。

 

繰り返しになりますが今作は去年と同じく「歌」をテーマにしながら去年の問題点を見事にクリアして非常に満足の行く作品だったと思います。言い様によっては初めてのミュージカル仕立てという点を除いてストーリーの組み立ては無難だったとも言えますが。及第点は取れていると思います。(70点/100点 くらいでしょうか)

 

私的小ネタのポイントを最後に。

オールスターズが牢屋に閉じ込められるところやピンクカルテットの共闘シーンでのギャグはニヤリとさせられました。キュアマリンの存在が目立つ演出。ああいうの毎年入れてほしい。

あとキュアハッピーキュアブロッサムの会話&共闘があって、スマギャンリスナーは絶対刮目すべきシーンでした。あのシーンだけでチケット1枚分の価値あります!