映画プリキュアドリームスターズ!(2017年)の感想

3月20日(月・祝)、今春のプリキュア映画を観てきました。イオンシネマで観たのですが、ハッピーマンデーにより1100円均一、祝日、イオン感謝デー、プリキュアやSING、ドラえもん、モアナ等ファミリー向け作品が多数公開直後等いろんな条件が重なって館内満員でした。プリキュアのシアターも親子連れがいっぱいでした。

 

(以降ネタバレ含みます)

さて、内容の感想ですが、全体的な出来は例年に比べるとちょっと物足りないなあという印象でした。悪くはなくスッキリまとまってはいるのですがストーリー面がもう少し骨太であればなあ、という感じです。

サクラとシズクの絆がメインテーマであり、その関係性についてはシズクの闇堕ち等でそれなりに描けていたと思いますが、

サクラ(とシズク)の世界

シズクのバックグラウンド

サクラのぼっち設定

についてもっと掘り下げて欲しかった。やはり物語の要となるキャラクターについての描写が少ないと物語を味わう余地も減少してしまいます。

あとサクラの羽衣を敵が狙う意味も単に綺麗でコレクションしたいから、というのも単純すぎて薄いなあと感じました。シズクの折り紙を使う設定や3枚のカードといった他のキーアイテムについてもそうですが、もう少し深い意味付けが欲しいですね。

 

全体が薄い印象になったというのは敵についても言えると思います。

さっき述べた目的意識・欲望の単純さもひとつですし、声優への山里亮太の起用も少し引っかかりました。

芸能人の起用と棒演技についてとやかく言うのは野暮ですし、彼が演じる敵がコミカルになるのも当然ですし、そういう敵がいてもいいと思います。ただ映画の中での敵の大ボスは巨悪であって欲しいなあというのが個人的な好みです。今回のようなコミカルな敵であっても最後に巨大化した後倒すのに苦労したり、真のラスボスが後に登場したりといった展開が欲しかった。魔法つかいプリキュアのラスボスがあっさり倒されたのに続いて今回もちょっと軽かったのでもどかしいなあと思います(笑)そろそろ粘っこいラスボスが欲しい。プリアラ本編に期待します。

 

物語に関してはちょっと残念だった一方で今回良かったのはセルパートとCGパートの振り分け方です。

ここ数年、短編、中編、長編など完全に分離した上で2部作や3部作に区切ったりして試行錯誤してきましたが、今回のようにセルとCGを場面ごとに振り分けてある世界(今回ではサクラの世界)ではCGを使う、というやり方はとても自然で尺を物語ごとにぶつ切りにすることもなく成功していたと思います。セルでもCGでも会話パート、戦闘パート両方が見られるのでお得です。

 

そして、最後に、参加プリキュアの人数について。

これが今回一番特筆すべきことですが、今作は今までの全シリーズではなく直近3作ということになり計12人となりました。

最近の春のプリキュア映画でずっと抱えてきた問題が考えてみれば当然の形に帰結したという感想です。(実際いつかこうなると思ってました。)

人数が増えても毎年全シリーズ全員出してくれるのが理想ですしそうあって欲しいですが、結局そうしたとしても近年のオールスターを見るようにシリーズを超えた掛け合いという見どころは十分に見られないし画面・シナリオ両面でキャラの動かし方に苦心することになります。それならば今回のように絞ったほうが掛け合いも十分に楽しめ制作に制約が少なくなって良いと思いました。ただ、近年から3作という選出方法では以降ずっともっと過去のシリーズのプリキュアが出なくなるので、そこは調整して欲しいものです。

 

追記

魔法つかいプリキュアの最終話でまほプリの3人と宇佐美いちかが初対面しましたが、あれはノーカンで今作中でも初対面という形になってました。年齢差(JDになったこと)もノーカンっぽかったです。当たり前っちゃ当たり前ですが